WWF (World Wide Fund for Nature)

カテゴリ: 主要組織・企業 (Key Players & Orgs)
WWF (World Wide Fund for Nature)

WWF(世界自然保護基金)は、スイスに本部を置く世界最大級の環境保全団体であり、海洋分野においても非常に大きな影響力を持っています。単なる「自然を守る」活動にとどまらず、持続可能な漁業のための「MSC認証」の設立に関わるなど、ビジネスと環境保全を両立させる「ブルーエコノミー」の推進役としても知られています。

最新動向 (2024-2025年)

近年のWWFは、特に「ゴーストギア(海洋投棄された漁具)」の問題解決に注力しています。

  • No Plastic in Nature: 2030年までに自然界へのプラスチック流出をゼロにするという野心的な目標を掲げ、強力なロビー活動を展開しています。特に2024年の国際条約交渉においては、プラスチックの生産段階からの規制を強く主張し、産業界に波紋を広げました。
  • コーラル・トライアングル・イニシアティブ: 世界で最も生物多様性が豊かな海域である東南アジアのサンゴ礁保全に、巨額の資金と技術を投入しています。

AIとデータサイエンスの活用

WWFは現在、テクノロジー企業と連携して「Conservation Technology(保全テクノロジー)」の分野をリードしています。

例えば、「違法漁業監視AI」です。Googleなどと協力し、AIS(船舶自動識別装置)のデータをAIで解析することで、保護区内で違法に操業している漁船をリアルタイムで特定するシステムを運用しています。これにより、広大な海域を少人数で監視することが可能になりました。

また、「AIによるゴーストギア検出」も進んでいます。ソナー画像や海中の映像データをAIに学習させ、海底に沈んでいる漁網の種類や位置を特定し、効率的な回収作業を支援する取り組みが行われています。

課題とトラブル事例

活動の規模が大きい分、批判や課題も存在します。

  • 「グリーンウォッシング」批判: 企業とのパートナーシップを重視する戦略のため、環境破壊を行っている大企業に「免罪符」を与えているだけではないかという批判が、一部の過激な環境団体から寄せられることがあります。
  • 地域コミュニティとの摩擦: 保護区の設定において、現地で生活する漁業者の権利を制限してしまうケースがあり、人権問題として議論になることもあります。

関連リソース

WWFのレポートは、業界の標準的な資料として広く参照されています。